髙砂神社能舞台
髙砂神社能舞台造替事業概要説明と経緯
髙砂神社能舞台
髙砂神社能舞台造替事業概要説明と経緯
現存しております能舞台は、寛永二年(1625)に再建されたもので兵庫県でも現存する能舞台で一番古いものの一つであることもあり、謡曲「髙砂」のふるさとの象徴として大切に守られ、歴年修復を重ねて今に至っております。前回の大修理から年月を経て相当ひどく傷み、抜本的に解体修理をしないといけなくなり、文化財指定を受けられるよう幾重にも調査検討しましたが、朽ち果てようとしている境内の能舞台は昭和の移転(本殿南面から東面に移築)時に倒壊を恐れ、コンクリートで基盤補修を施し、床板も全面張り替えました。また、昭和53年の神社会館建設時に楽屋や橋掛り一間が取り除かれました。その為、文化財指定は困難と判断され、解体修理も現状では経費等においても新築同様にかかるとのことで、平成10年、平成21年の国恩祭の事業では結果的に断念せざるを得ない状況となりました。
今回、高砂神社は市民有志の皆様方のご声援に支えられ、能舞台を新たに造替し建立することで、伝統文化を未来の子孫にさらに伝承発展させたいと思い、高砂の郷土が誇る象徴を立派にし、全国に「高砂」を発信する基盤づくりが出来ると考えました。
そこで、新たに結成された「高砂に新しい能舞台を作る会」や「髙砂神社能舞台建設実行委員会」が中心に高砂市民をはじめ商工会議所、高砂神社氏子、また全国の多くの方々のご理解ご賛同を得て、大切なご浄財のご寄贈を頂きまして、ようやく寄進目標を満すことができ、念願の建設の運びとなりました。
つきましては、誠に有難く皆様方の厚志に深く感謝申し上げ、完成まで気を抜くこと無く建設の進捗を見守り、9月16日の竣功祭をみなさまと共に無事に迎えたいと考えております。
●髙砂神社能舞台造替事業
概要説明
<仕様>
構造 木造平屋建て(伝統的工法)
基礎 鉄筋コンクリート造ベタ基礎
屋根仕上げ 日本瓦(本葺一体いぶし)
外壁仕上げ 桧竪羽目板張り
舞台軒高さ 5,208m
舞台床高さ 850mm~880mm(撥転がし含む)
舞台と橋掛の角度 69度
能舞台諸元表
面 積 149.42m²
舞台寸法 5,909m×5,909m
地謡座寸法 5,909m×1.363m
後座寸法 5,909m×3,441m
橋掛寸法 9,819m×2,576m
鏡の間寸法 3,939m×5,303m
楽屋寸法 5,242m×4,924m
目付柱 桧芯去り材240mm□
舞台床 桧節板厚30mm目鎹
■建設までの経緯
鏡板縮刷図面
完成予想図
現存能舞台
既存の鏡板(相生垣秋津画)